大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和26(あ)2387 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告人の上告趣意(後記)について。

所論は事実誤認、量刑不当の主張であつて上告適法の理由とならない。

弁護人野口恵三の上告趣意(後記)第一点について。

第一審判決は、その判示事実をAの検察官に対する供述調書と、被告人が犯罪事

実を自白した、検察官に対する第二回供述調書とを、被告人の検察官に対する第一

回供述調書、並びに同被告人の司法警察員に対する供述調書等と綜合して、認定し

たものであり、原判決は、これに対し、第一審判決挙示の証拠によれば第一審判決

認定の事実は優にこれを認められるから第一審判決に事実誤認ありとの控訴趣意は

理由がないと判断したものであつて、前記Aの検察官に対する供述調書の記載は、

被告人の前記検察官に対する第二回供述調書の自白の真実性を保証し得るものであ

る。第一審判決は右Aの検察官に対する供述調書を被告人の右自白の補強証拠にし

たものであり且つ原判決がこれを是認したものであるとしても、それは、所論引用

の当裁判所の各判例の趣旨に従つたもので何等判例に相反する判断をしたものでは

ない。故に本論旨(一)は理由がない。

次に被告人の検察官に対する第二回供述調書の自白が強制拷問によるものである

事実はこれを認むべき形跡もなく、又被告人が現行犯として逮捕きれたのは昭和二

五年一二月二〇日であり爾来勾留されていて右第二回供述調書の自白をしたとして

も、右第二回供述をしたのは、昭和二六年一月八日であるから其の間僅かに二〇日

であつて、被告人の右自白を以つて、不当に長い拘禁後の自白ということはできな

い本論旨(二)も亦その前提を欠き適法な上告理由とならない。

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同第二点について。

犯罪を犯した者に対し、普通の刑を法律において許された範囲内で量定した場合

にはこれを以つて残虐な刑罰とはいえないことは、当裁判所の判例であつて(昭和

二二年(れ)第三二三号同二三年六月三〇日大法廷判決)所論は要するに量刑不当

を主張するに帰し上告適法の理由とならない。

又本件については刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて刑訴四〇八条一八一条により主文のとおり判決する。

右は、裁判官全員一致の意見である。

昭和二六年一二月七日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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